自動カーニング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 09:50 UTC 版)
近年の高品質な欧文フォントはそれ自体がカーニングに関する情報をあらかじめもっている場合が多く、この機能に対応したソフトでは自動的にカーニングが行われる。これをメトリクスカーニング(metrics kerning)と呼ぶ。例えば P. 、To 、Tr 、Ta 、We 、Wo 、Ya 、Yo などの頻出する文字・約物の組合せに対し、適切なアキに関する情報が存在する。このように、カーニングが必要となる文字・約物の組合せはそれらの形状によって概ね決まっており、これをカーニングペア(kerning pair)と呼ぶ。欧文に限ってもその組合せは何百通りに及び、タイポグラフィに関する本でそのリストを見ることができる。 OpenTypeはこうした先進的な機能に対応したフォント形式の一つである。ただし、リュウミン・新ゴ・太ゴB101などの和文用フォントに付属する欧文字形にはこの情報が含まれていない場合が多い。また、対応フォントであっても1行内に異なるフォント・サイズ・書式の文字が混在する場合にはメトリクスカーニングは適用されない。 メトリクスカーニングがなされない状況であっても、組版ソフトが自動カーニング機能を備えていることがある。これは文字の形状を解析し、最適な文字間隔を自動的に算出するアルゴリズムによって行われ、オプティカルカーニング(optical kerning)と呼ばれる。 自動カーニングは手軽で便利な技術だが、手動カーニングに劣る場合もある。空白を判断するアルゴリズムにとって空白が十分に小さくても、実際接近しているのはダイアクリティカルマークに過ぎず、人間の目には空白が大きすぎるように見えるなどといったケースが考えられるからである。
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