腎臓からの排出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/07 14:08 UTC 版)
高分子化合物の尿中排出には代謝と異なり種差がほとんどないとされている。高分子医薬品の多くは、その分子量に従い、直接または代謝により低分子化された後尿中に排泄される。糸球体における高分子医薬品の濾過による除去効率は分子サイズ(サイズバリアー)と電荷(チャージバリアー)が密接に関係している。分子量が4kDa以下のもの、あるいは5nm未満のサイズは糸球体でほとんどが濾過されるに対して分子量が30kDaを超えると糸球体濾過率は著しく低下する。糸球体濾過率は分子量が大きくなるにつれて低下し、同じサイズならば負電荷は濾過されにくい。サイトカインなどの比較的分子量の小さいタンパク質の場合には、腎糸球体濾過を受けることで速やかに消失することから血中滞留性の増大を目的に他の高分子で修飾された誘導体が開発されている。 糸球体濾過された比較的低分子量の蛋白質は大部分が近位尿細管において受容体介在性エンドサイトーシスもしくは吸着性エンドサイトーシス(adsorptive-mediated endocytosis、AMF)によって細胞内に内在化された後、リソソームなどで分解されアミノ酸となり、生体内で再利用されることが多い。例えばLDL受容体ファミリーにぞくするLRP2は尿細管管腔側に高発現しており、エンドサイトーシス受容体として蛋白質やペプチドを受容体介在性エンドサイトーシスにより取り込む。アミノグリコシド系抗菌薬やミオグロビンなどの尿細管への取り込み・蓄積と毒性の発現の原因となっている。
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腎臓からの排出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:43 UTC 版)
高分子化合物の尿中排出には代謝と異なり種差がほとんどないとされている。高分子医薬品の多くは、その分子量に従い、直接または代謝により低分子化された後尿中に排泄される。糸球体における高分子医薬品の濾過による除去効率は分子サイズ(サイズバリアー)と電荷(チャージバリアー)が密接に関係している。分子量が4kDa以下のもの、あるいは5nm未満のサイズは糸球体でほとんどが濾過されるに対して分子量が30kDaを超えると糸球体濾過率は著しく低下する。糸球体濾過率は分子量が大きくなるにつれて低下し、同じサイズならば負電荷は濾過されにくい。サイトカインなどの比較的分子量の小さいタンパク質の場合には、腎糸球体濾過を受けることで速やかに消失することから血中滞留性の増大を目的に他の高分子で修飾された誘導体が開発されている。 糸球体濾過された比較的低分子量の蛋白質は大部分が近位尿細管において受容体介在性エンドサイトーシスもしくは吸着性エンドサイトーシス(adsorptive-mediated endocytosis、AMF)によって細胞内に内在化された後、リソソームなどで分解されアミノ酸となり、生体内で再利用されることが多い。例えばLDL受容体ファミリーにぞくするLRP2は尿細管管腔側に高発現しており、エンドサイトーシス受容体として蛋白質やペプチドを受容体介在性エンドサイトーシスにより取り込む。アミノグリコシド系抗菌薬やミオグロビンなどの尿細管への取り込み・蓄積と毒性の発現の原因となっている。
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