背景とビジネスモデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 09:18 UTC 版)
「コントロールド・サーキュレーション」の記事における「背景とビジネスモデル」の解説
営利事業としての雑誌発行を考えたときに、読者から料金を取る配信方法を採用する場合には、有料定期購読でも書店販売の場合でも雑誌そのものを広告・宣伝する必要がある。さらには、コンテンツに関しても非常にレベルの高いものが要求される。そのため、購読料収入の大部分はそれらの宣伝費や編集コストに吸収されてしまい、利益になるのは実質的に広告料部分のみということが多い。そうであれば無料で読者に雑誌を配布することにして、代償として読者の個人情報を取得して広告などの商売につなげると同時に、雑誌自体の宣伝費や編集コストは最低限に抑えようというのが、コントロールド・サーキュレーションのビジネスモデルにおける元々のアイデアである。 属性付きの読者リストを元に、雑誌広告だけでなく、読者に対する広告配信代行や特定分野を対象とした市場調査代行などのビジネスを行うことも可能となる。 弱点として、昨今の個人情報に対する意識の高まり(個人情報を提供するうえでの心理的ハードルの高さ)により、個人情報を提供するからには無料であっても非常に高いクオリティのコンテンツが要求されるようになっていることが挙げられる。 広告主に対して正確な情報を提供することがビジネスモデルの根幹であるため、書店売りの雑誌で行われるような発行部数の水増し(日本の雑誌業界においては「公称」発行部数と実際の発行部数の間に差異が存在することが多く、ひどい場合には数倍の差が生じていることもある)は通常行われない。また、発行部数ならびに読者属性分布の精度を保証するため、ABCによる公査や、BPAの公査(ABCより格段に基準が厳しい)を取得している場合もある。
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