肥沃度実態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 09:55 UTC 版)
日本土壌肥料学会のシンポジウムで、水田からの輪換畑の肥沃度についての知見は総合的に検討された。田畑では時間経過とともに土壌有機物の総量や組成が変化する。田畑輪換の繰り返しでは、その化学動態は連作の場合と異なる。微生物の分解による土壌有機物の変化は発熱を伴い、示差走査熱量測定(DSC分析)で分析できる。発熱量は可給態窒素量とおおむね相関があり、発熱ピークは二つある。DSC分析では低温分解成分と高温分解成分の2種類が観測できる。前者は輪換のたびに単調に減少し、後者は4回程度の畑地化を経て減少する。 重粘土の水田からの転換畑での大豆の初期生育には前作にソラマメ属のへアリーベッチを導入することが有効である。そのメカニズムとして、佐藤ら(2007)はヘアリーベッチによる蒸散作用と根の伸長に伴う亀裂構造の発達を推定した。飼料イネを4年間栽培したのちに大豆畑に転作した場合でも、完熟堆肥を適切に施用することで窒素肥沃度の低下を抑制できる可能性がある。
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