職歴・研究歴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/18 15:55 UTC 版)
パテル教授は250報 を超える学術審査付き研究論文を公刊している。研究の中心は、インドをはじめとする発展途上国における精神医学に関わるものである。なかでも、精神医学的な資源の不足している環境でも精神疾患が広く存在し、その対策のためには、従来の先進国モデルではない精神医療を進めるべきであるという考えから、「おばあちゃん(Grandmothers)」や「友達ベンチ(Friendship Bench)」による精神的疾患へのケアを提唱し、その効果を実証してきている。これは、精神医学の専門教育を受けた精神科医や心理師が大幅に不足している発展途上国のような環境でも、素人に精神的ケアの基本技術を教えることで専門カウンセラーではなく「おばあちゃん」が、クリニックやカウンセリングルームではなく街角の「友達ベンチ」で、うつ病などのケアができることをランダム化対照実験で検証したものである。先進国においても、こうした「おばあちゃん」カウンセラーや「友達ベンチ」が有効であることが期待されている。 大学での教鞭をとる他に、数多くの講演も行ってきていて、2012年にはTEDでのスピーチもしている。パテル教授の精神疾患への対策に対する考え方の要点がこのTEDスピーチでよくわかる。 世界中で4億5千万人もの人々が精神的な病に苦しんでいます。豊かな先進国では精神的に病んでいる人の約半分が適切なケアを受けていますが、発展途上国では患者の9割近くが適切な治療を受けていません。それは、精神科医が決定的に不足しているからです。パテル教授は、これに対し有効な対策を提案しています。それは、一般の人々を訓練して精神的な病のケアをさせるというものです。
※この「職歴・研究歴」の解説は、「ヴィクラム・パテル」の解説の一部です。
「職歴・研究歴」を含む「ヴィクラム・パテル」の記事については、「ヴィクラム・パテル」の概要を参照ください。
- 職歴・研究歴のページへのリンク