美学と文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/06 00:03 UTC 版)
「ウラジーミル・ソロヴィヨフ (哲学者)」の記事における「美学と文学」の解説
美は三位一体的なイデアの一側面である。芸術の役割とは、美という手段による神の啓示を捉えることにある。芸術の源泉は、芸術家の主観にあるのではなく永遠のイデアの中にある。芸術家にできるのは神から一時的に与えられるかもしれない霊感をよりよく受容できるような環境や生理条件を用意することだけである。ソロヴィヨフは、チェルヌイシェフスキーが芸術家の想像の産物よりも現実生活に見られる美に高い価値を認めたことに賛成する。しかし、ピーサレフが極言したような「靴はシェークスピアより重要である」という功利的な芸術観、というより生活至上主義に反対する。芸術家の主観を認めないという立場から、批評家にも作者の心理的動機よりも客観的環境や思想の方面に注目するよう勧告する。 文学においては叙情詩に高い地位を与え、純粋な人間精神の表現に適していると考えた。叙情詩には自然の永遠の美や愛の無限の力が直接に啓示され、ヘーゲルの予想と反して、詩の最高の境地には作者の個人感情や主観は存在の余地がない。ソロヴィヨフがロシアのいわゆるデカダン派の詩人を「シンボリスト」ではないと強調したのは、彼らの自我がイデアを曇らせているという理由からである。
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