編集の中立性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 07:13 UTC 版)
「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」の記事における「編集の中立性」の解説
JAMAの各記事の内容は、米国医師会よりもむしろ記事の著者に帰属するものとされている。 「米国医師会は、いかなる当事者に対しても、記事の正確さ、完全さあるいは利便性、ないし記事およびそれらに含まれる情報のいずれかを使用しまたは使用しないことによって生じるいかなる損害についての法的責任をも否認する。」 1999年に、米国医師会に任命されて間もない常務取締役のE.ラトクリフ・アンダーソンが、JAMAの編集長ジョージ・ランドバーグを首にした。ランドバーグは、キンゼイ性風俗調査協会 (Kinsey Institute for Sex Research)のJ.ライニシュとS.サンダースによる、大学生の性行為に対する態度の調査報告を刊行したことにより首にされた。米国中西部の州の主な大学の599人の学生を対象にした1991年の調査報告にもとづいた論文で、母集団の60%(元の記事では59%となっていたが、記事では編集部長による誤字であると指摘されている)が、オーラルセックスを「セックスをした」とは見做していないという内容である。アンダーソンはのちに、この事とは別の、同会委員会内での論争が元となって、自ら辞任した。ランドバーグは米国医師会を罷免されてからきっかり一ヵ月後にメドスケープ (en:Medscape)の主任編集長の座に就いている。 カナディアン・メディカル・アソシエーション・ジャーナル、ランセット、BMJ、メディカル・ジャーナル・オブ・オーストラリアなど多数の医学雑誌が、すぐさま、ランドバーグの罷免は編集の中立性を蹂躙するものであるという社説記事を掲載した。 ランドバーグの罷免ののち、米国医師会は、内科医らと自然科学者らより成る有名なJAMA編集調査委員会と協力し、「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」およびアーカイブ・ジャーナルにとって最良の代替運営法を探し出すための新たな過程を設立した。このグループは、JAMAとアーカイブ・ジャーナルとこれらの主任編集長にとって編集が自由で独立性が保たれることが保証されるように考案された運営計画を生み出した。調査委員会が発案し運営計画にも記述された、第一に推薦されるべき方法は、主任編集長を評価することと編集の中立性の保証を後押しすることとを業務とする、7名より成るジャーナル監督委員会を設立することを推薦するものであった。発足以来今日に至るまで、委員会は少なくとも年に一度会合を開いている。
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