絵画とイラストレーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 08:16 UTC 版)
「ウォルター・クレイン」の記事における「絵画とイラストレーション」の解説
1864年から1876年にかけて、クレインは彫版師エドマンド・エヴァンズ(英語版)と組んで3色刷りのトイ・ブックスを多数制作し大きな成功を収めた。とくに『カエルの王子さま』(1874年)から始まるシリーズには、画面構成や大胆な平塗りなど、浮世絵の影響が強く現れている。また1876年にはケイト・グリーナウェイやジョン・テニエルらと共同で挿絵本を制作している。 挿絵画家としてのクレインは、画面上で文章と絵・装飾とを調和させることに腐心し、『幼子のオペラ』(1877年)『3つのRの物語』(1886年)などの作品はその後の児童向け絵本のデザインの基礎となった。このような挿絵本のうち、友人であるジョン・ワイズの『5月1日:妖精の仮面劇』(1881年)ではグラビア印刷の技術が使われ、クレインの手がけた本の中でもひときわ美しい物となっている。またグリムの『家庭のメルヘン』(1882年)で使用されたガチョウ番の娘の絵は後にウィリアム・モリスがタペストリーに仕上げ、現在はヴィクトリア・アンド・アルバート美術館に収蔵されている。このほかワイルドの『幸福の王子、その他のお話』(1888年)、ホーソーンの『ワンダーブック』(1892年)、スペンサーの『妖精の女王』(1894年-1896年)など、クレインは数多くの挿絵本を手がけた。
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