絵画としての『騎士団長殺し』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 03:49 UTC 版)
「騎士団長殺し」の記事における「絵画としての『騎士団長殺し』」の解説
物語の中心となるのが雨田具彦が描いた『騎士団長殺し』という日本画である。 大きさは縦横が1メートルと1メートル半ほどで、横に長い長方形。 飛鳥時代の恰好をした男女が描かれている。細い真っ黒な口髭をはやし淡いよもぎ色の衣服を着た若い男が古代の剣を、白い装束で豊かな白い鬚をはやし珠を連ねた首飾りをつけている年老いた男(騎士団長)の胸に突き立てており、胸から血が勢いよく噴き出し、白い装束を赤く染めている。その様子を真っ白な着物を着て、髪をあげ大きな髪飾りをつけた若い女性と、簡単な草履を履き、腰に短い脇差のようなものを差し、左手に帳面のようなものを持つ小柄でずんぐりした召使いのように見える若い男が傍観している。さらに画面の左下に地面についた蓋を押し開け首をのぞかせる、曲がった茄子のような細長い顔で、顔中が黒い鬚だらけで髪がもつれた男(顔なが)が、構図を崩すようなかたちで描き込まれている。 主人公は年老いた男が『ドン・ジョバンニ』における「騎士団長(コメンダートレ)」、刺殺する若い男が「ドン・ジョバンニ(ドン・ファン)」、若い女は騎士団長の娘「ドンナ・アンナ」、召使いはドン・ジョバンニに仕える「レポレロ」に相当すると推察した。
※この「絵画としての『騎士団長殺し』」の解説は、「騎士団長殺し」の解説の一部です。
「絵画としての『騎士団長殺し』」を含む「騎士団長殺し」の記事については、「騎士団長殺し」の概要を参照ください。
- 絵画としての『騎士団長殺し』のページへのリンク