結び目と組み紐理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 14:15 UTC 版)
「低次元トポロジー」の記事における「結び目と組み紐理論」の解説
詳細は「結び目理論」および「組み紐 (数学) 」を参照 結び目理論は、結び目を数学的に研究する。日常生活の中に現れる靴ひもや縄の結び目というのが発端ではあるが、数学者のいう結び目はそれらと違って両端が一つに繋がった輪の形をしていて、それらを切り離すことは許されない。数学的な言い方をすれば、結び目とは円周の三次元ユークリッド空間 R3 への埋め込みである(我々はいま位相を考えているのだから、この「円周」というのも古典的な幾何学的概念としてのそれに制限されるものでなく、それと同相なものは全て「円周」と呼ぶのである)。数学的な意味での二つの結び目が同値であるとは、R3 からそれ自身の上への変形(全同位(英語版)と呼ぶ)を通じて一方が他方へ写ることができるときに言う。これらの変形は、結ばれた紐を切ったり自身をすり抜けたりすることなく操作することに対応している。 結び目補空間は、良く研究されている 3次元多様体である。順な結び目(英語版) K の結び目補空間は、結び目を取り巻く 3次元空間である。より詳しくは、K が 3次元多様体 M の中の結び目とし(最も良く使われる M は3-球面(英語版)である)、N を K の管状近傍(英語版)とすると、位相的に N はトーラス体(solid torus)である。そうして、結び目補空間とは N の補集合 X K = M − interior ( N ) {\displaystyle X_{K}=M-{\mbox{interior}}(N)} をいう。 関連する主題として、組み紐理論がある。組み紐理論は、日常的な意味の組み紐およびそのある種の一般化を研究する抽象幾何学理論である。考え方としては、組み紐を群として体系化することであり、その群演算は「紐の集合上で、紐をひねって組むという操作を、ひねりを加えた順番に従って考える」ことを意味する。そのような群は明白に群の表示により陽に記述することができ、Emil Artin (1947) に示されている。この線での基本的な取り扱いは組み紐群の項を参照。ブレイド群はまた、より深い数学的な解釈(たとえば、配置空間(英語版)の基本群)も持つ。
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