経営の課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 08:53 UTC 版)
ウォルマートが急激に伸びたのは1960年代から70年代で、この時期には多くの町がウォルマートの新規出店を熱心に誘致した。しかし1996年にウォルマートの店舗数はピークを迎えた後、減少に転じている。この理由として挙げられるのは、ウォルマートの出店が地元にあまり大きなプラスにはならないことが、それまでの各地の経験から明らかになってきたことである。 具体的には 上記のような地元の経済を破壊した上での撤退が相次いでいること 景観や環境の悪化 ウォルマートの駐車場で強盗殺人事件が多発 他の小売店舗の売り上げへの悪影響 新たに創出される雇用のほとんどが、時給4ドルから7ドルで医療保険もない低賃金の仕事であること 従業員は低賃金にもかかわらず、ウォルマート自身の税収はさほど大きくないこと 利益の多くはウォルマート本部に吸い上げられ、地元のキャッシュ・フローが減少すること などがある。 また米国内の既存店も売り上げが伸びず、苦戦している。原因は、従業員の士気の低下によってサービスの質が落ち、顧客満足度が低下していることにあるとされる。 顧客満足度に問題があることは経営陣も認識しているが、改善には到っていない。この状況に対して、小売りコンサルタント、パトリシア・パオの発言は 「 小売業の成功の秘訣を「10%のアイデアと90%の実行力」とパオ氏は話す。しかし、ウォルマートの場合、特に同社の顧客サービスに関しては、「90%が戦略と思考に費やされ、実行は10%だけのようだ」。 」 — より引用 と報じられており、2007年10月時点のウォルマートの顧客へのサービス提供は相当厳しい状況にあると述べている。 しかしながら、2008年度ごろから売り上げは改善の兆しを見せ、回復基調にある。2012年には売上高が40兆円を超え、2位のカルフールに3倍以上の差をつけるに至った。それに伴い2012年度には株価は上場以来初めて70ドルを突破し過去最高値をつけるなど、引き続き世界最強の小売業者の名をほしいままにしている。
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