細胞の受容体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:18 UTC 版)
FcyRII/CD32受容体を介してβ-コロナウイルスが免疫細胞に侵入出来るという実験結果がある。ウイルス-抗体複合体はFcγRII受容体と結合した後CD32+(英語版)細胞に食作用により取り込まれる。免疫細胞表面に発現する2種類の受容体(FcγRIIaとFcγRIIb)のみが、SARS-CoV-1によるADEを惹起する。一方で、FcγRIやFcγRIIIaは惹起しない。加えて他の研究では、SARS患者の重症度がFcγRIIaの遺伝子多型に関連している事が示された。IgG1とIgG2の双方と相互作用可能なFcγRIIa多型患者では、IgG2のみと相互作用可能な多型の患者よりも重症化する傾向にある。下表に示す様に、FcyRII受容体は好塩基球、好中球、好酸球、血小板に存在する。これまでの処、これらの細胞への感染は実証されていないが、除外することは出来ない。 FcyRIIa FcyRIIb 好中球 + + 好酸球 + + 単球 + + マクロファージ + + 樹状細胞 + + NK細胞 - - B細胞 - + T細胞 - - 血小板 + - 好塩基球 + +
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