細胞の代謝の調節への関与
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 16:13 UTC 版)
「電位依存性陰イオンチャネル」の記事における「細胞の代謝の調節への関与」の解説
少し巨視的に、細胞レベルで見てみると、ミトコンドリア外膜の電位依存性陰イオンチャネルは、細胞における代謝の調節を行っている。まず、真核生物においてATPの大部分は、ミトコンドリアにADPやピルビン酸などが供給されることによって、ミトコンドリア内で作られている。そして、ATPやADPやピルビン酸やリンゴ酸などと言った代謝物質が、ミトコンドリア外膜を通過する際に、この電位依存性陰イオンチャネルが利用されるのである。このことからも明らかなように、ミトコンドリア外膜の電位依存性陰イオンチャネルは、ミトコンドリアにおいて、様々な代謝経路に関わっていることが判る。さらに、ミトコンドリア外膜の電位依存性陰イオンチャネルには、真核生物の細胞質の側(ミトコンドリアの外)でATPを利用して基質をリン酸化する酵素、例えば、ヘキソキナーゼ、グリセロールキナーゼ(英語版)、クレアチンキナーゼなどが結合することが知られている。特に、ミトコンドリア外膜の電位依存性陰イオンチャネルに結合したヘキソキナーゼは、細胞質の側で行われている解糖系と、ミトコンドリア内部で行われている酸化的リン酸化とのバランスを取る役割をしているのではないかと推測されている。
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