体内循環における変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 07:23 UTC 版)
「超低密度リポタンパク質」の記事における「体内循環における変化」の解説
肝臓から放出された新生VLDLには、アポリポタンパク質B100(英語版)、アポリポタンパク質C1(英語版)(apoC1)、アポリポタンパク質E(apoE)、コレステロール、コレステリルエステル、およびトリグリセリドが含まれている。それらは血液中を循環しながら、アポリポタンパク質C-II(apoC-II)と、高密度リポタンパク質(HDL)から提供された追加のapoEを受け取る。この時点で、新生VLDLは成熟VLDLとなる。 VLDLは、循環すると、体内の毛細血管床(脂肪、心筋、骨格筋)でリポタンパク質リパーゼ(LPL)と接触する。LPLは、貯蔵またはエネルギー生産のためにVLDLからトリグリセリドを除去する。ここで、VLDLはHDLと合流し、apoC-IIをHDLに戻す(ただし、apoEは残される)。HDLはまた、コレステリルエステル転送タンパク質(英語版)(CETP)を介して、リン脂質およびトリグリセリドと引き換えにコレステリルエステルをVLDLと交換する。LPLおよびCETPの酵素の作用によって、さらに多くのトリグリセリドがVLDLから取り除かれると、分子の組成が変化し、中間密度リポタンパク質(IDL)となる。 IDLの50%は、アポリポタンパク質B-100(apoB-100)とapoEを含むため、肝細胞の受容体に認識されエンドサイトーシスされる。残る50%のIDLはapoEを失っていて、それらのコレステロール含有量がトリグリセリド含有量よりも多くなると、apoB-100を主なアポリポタンパク質とするLDLとなる。LDLは、LDL受容体を介してエンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれ、その内容物は貯蔵されるか、細胞膜構造に使用されるか、ステロイドホルモンや胆汁酸など他の生成物に変換される。
※この「体内循環における変化」の解説は、「超低密度リポタンパク質」の解説の一部です。
「体内循環における変化」を含む「超低密度リポタンパク質」の記事については、「超低密度リポタンパク質」の概要を参照ください。
- 体内循環における変化のページへのリンク