紙輸送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/11 09:12 UTC 版)
日本では製紙工場は北海道、静岡県、新潟県、富山県、鳥取県などに位置している。これに対して紙の消費は、大手の新聞社、出版社、印刷会社の多い大都市に集中しており、日本の紙消費の50 パーセントを東京都で、25 パーセントを大阪府で、それぞれ占めている。こうしたことから製紙工場から大都市へ向けて、紙の大量輸送が行われている。 こうした紙輸送は、ワム80000形やワキ5000形などの有蓋車で行われてきた。これらの貨車はフォークリフトでの荷役に適するように側扉が全面開くようになっており、紙輸送にも適している。これらの貨車を連ねた紙輸送専用列車も運行されている。 また積降設備の面では、国鉄と製紙各社の共同出資で飯田町紙流通センターが1972年(昭和47年)11月に設立され、貨物駅である飯田町駅に紙専用の取り扱い施設と倉庫を設置して、全国から貨物列車で紙を運びこみ、トラックで都内各地の新聞社や印刷工場へ運び込む体制となっていた。後に印刷工場の郊外移転や都心部の用地の有効利用などの観点から、1999年(平成11年)6月に新座貨物ターミナル駅に、7月に隅田川駅に新しい保管・配送センターが完成して飯田町駅の配送センターは閉鎖された。 船舶による大量輸送と激しい競合となっているが、2003年(平成15年)度の年間輸送量は374万トンとなっている。従来の有蓋車による輸送は、大都市から製紙工場への返却回送が空車となって輸送効率に問題があったため、コンテナ輸送への転移が進められており、2003年度の実績では374万トン中275万トンがコンテナ輸送となっている。
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