管体の材質と表面仕上げ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 07:26 UTC 版)
金管楽器の管体には、主に真鍮(黄銅、Brass)や洋白 (Nickel Silver) といった材質が用いられ、多くはその表面にラッカー(lacquer)塗装やメッキが施される。真鍮にもイエローブラス、レッドブラスなど組成の異なるいくつかの種類があり、硬度や比重が音色や吹奏感に影響する。機構部に影響のない朝顔部分の素材の変更や表面処理の変更で音色を調整することがよく行われる。古楽器の復元などには素材自体を同じ組成にすることも重要で、微量のベリリウムを含んだ真鍮などを特別に調製することもある。ラッカーは通常は透明なクリヤラッカーが用いられるが、黄や赤の染料を添加してより美しい色合いを演出することもある。メッキでもっとも多いのは銀メッキである。低価格帯の楽器ではニッケルメッキも使われる。まれに金メッキも用いられるが、音色の要求によるものであり、金メッキの楽器は確かに「高価」になりはするが、銀メッキと比べて特に楽器として「高級」とはいえない。銀メッキの楽器はあたたかくまろやかな音色、ラッカーは輪郭のはっきりした音色、金メッキは明るく華やかな音色が特徴であるといわれるが、それ以上に管の素材(組成および厚さ)、ラッカーやメッキの厚さがきわめて重要な要素であり、それらを無視して一概に論じることはできない。
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