第14章「ガル昇天す」
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「フロム・ヘル」の記事における「第14章「ガル昇天す」」の解説
第14章でガルは次元の壁を超越し、すべての時間に偏在する存在となる。作者は実在の歴史記録に残る幽霊の目撃談や超常現象をガルの霊体と結び付けている。たとえばウィリアム・ブレイクは自室で全身鱗の怪物を幻視し、そのスケッチを元に『蚤の幽霊(英語版)』を制作したとされているが、作中では怪物の正体はガルである。また作中のロバート・ルイス・スティーヴンソンはガルに見せられた悪夢によって『ジキル博士とハイド氏』を着想する。 1888年の切り裂きジャック事件の前後に実際にあった類似の事件は、歴史を貫いて螺旋的に配置された一連の四次元構造だとされた。その始めは、ちょうど100年前の1788年に「ロンドン・モンスター(英語版)」と呼ばれる人物が数多くの女性を刺傷した事件だった。切り裂きジャック事件の50年後、1938年にはカナダのハリファックスで架空の通り魔「ハリファックス・スラッシャー(英語版)」に関する集団ヒステリー事件があった。その25年後、1965年にはイギリスのサドルワース・ムーアでイアン・ブレイディらが数名の未成年を殺害するムーアズ殺人事件が起きた。その12年後、1975年には「ヨークシャー・リッパー」ことピーター・サトクリフが売春婦を次々に殺害した。 突き刺し魔「ロンドン・モンスター」の目撃談を元に描かれたアイザック・クルックシャンク(英語版)の作品(1790年)。 ウィリアム・ブレイクが降霊会で描いたスケッチを元に制作された『蚤の幽霊』(1819年)。 ジョン・テニエルが『パンチ』誌に発表した切り裂きジャック事件の諷刺画(1888年)。
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