第二次教科書問題
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「日本を守る国民会議」(現・日本会議。以下「国民会議」)・原書房刊で1987年に発行された高校用教科書『新編日本史』を中国が批判。中曽根康弘首相が文部省に検討を要請し、5月27日に異例の再審議が行われた。これは第二次教科書問題ともいわれる。この『新編日本史』は「皇室への敬意を育む」「神話を通して建国を理解させる」などの方針に基いて編纂されており、天皇の人間宣言を掲載しないなど天皇中心の記述が多かった。特に人間宣言非掲載については4回にわたる文部省との折衝の焦点となり、『新編日本史』を作成した国民会議側は「人間とか神格否定の語句だけは絶対入れたくない」と主張した。こうしたさなか国民会議支援の懇談会が不二歌道会、新日本協議会など40数団体が集結して開かれ、政府・文部省に対する糾弾大会の開催が決定した。結局『新編日本史』は検定に合格したものの昭和62年8月の締め切りで32校8900部に留まるなど採択率は低く、その理由として朝日新聞が批判記事を書いたことを「悪質な妨害活動」と神社新報は糾弾している。 なお一連の件について家永自身は「立場は違うが、検定で落とせとは口が裂けても言えない」と語り、教科書は自由発行・自由採択であるべきとの、長年の持論を述べた。
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