空中給油装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 13:54 UTC 版)
「KC-10 (航空機)」の記事における「空中給油装置」の解説
空軍の所属機のため主空中給油装置はフライングブーム方式であるが、副給油装置としてフライングブーム基部右脇にプローブアンドドローグ方式のFR600 ドローグ給油装置1基が装備されている。そのため、給油相手がプローブアンドドローグ方式の場合でも、KC-135のようにブーム先端にドローグ方式のアタッチメントを装着する必要はない。これにより、KC-10は特別な作業の必要なくアメリカ空軍と海軍、海兵隊の航空機に1機で給油を行える上、アメリカ軍の規格に準じたいずれかの空中給油装置を持つ航空機であれば、ほぼ全ての航空機に対して給油が可能となっている。尚、ドローグ/ブームの両方式を同時に用いることは不可能である。 スペースに余裕がないために腹這いになって作業を行う必要があったKC-135と違い、空中給油オペレーターは給油管制室において通常の座席に座ってすべての作業が行えるようになり、機器もより自動化の進んだものとなったことで作業効率が大幅に向上した。フライングブームはフライ・バイ・ワイヤによって動翼をコントロールする方式で、精密かつ安定した操作が可能になっている。給油管制室にはオペレーター用の他に2席分の予備座席が用意されており、教官および訓練生を搭乗させて実地訓練を行うことが可能となっている。 油送量は標準で毎分4.8キロリットル(フライングブーム方式)、1.78キロリットル(プローブアンドドローグ方式)となっており、フライングブーム方式の場合には最大で毎分5.7キロリットルを供給可能である。ただし、最大油送量での給油は、対応した受油能力を持つ大型機に限られる。 部隊配備後に20機に対して両翼端にMk.32Bドローグポッド(油送能力 毎分1.16キロリットル)を追加装備する改修が行われており、改修を受けた機体はプローブアンドドローグ方式であれば2機同時に空中給油が可能である。 フライングブーム方式によりF-4Dに給油を行っているKC-10A白地に青のラインの初期塗装状態のもの フライングブーム方式によりRC-135V/Wに給油を行うKC-10A灰色系迷彩の施された現行塗装機 プローブアンドドローグ方式によりF-14Dに給油を行おうとしているKC-10AF-14Dは空中給油プローブを展開している 機尾部の空中給油ブームブーム基部前方の張出し部分が給油オペレーターの搭乗部 給油オペレーター席プローブアンドドローグ給油装置によりアメリカ海軍のF/A-18に給油を行っている 貨物扉を開けた状態
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