種としての地位に対する問題提議
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 02:16 UTC 版)
「ミヤコショウビン」の記事における「種としての地位に対する問題提議」の解説
種としての地位には疑問が持たれることがあり、ズアカショウビンの亜種とする説や、グアム島からの迷鳥、飼育個体の逸出、ラベルのつけ間違い等の説がある。 このうちラベルについては、模式標本のラベルには『二月五日・田代安定氏採集 八重山産?』とあり、採集年は書かれていない上、宮古島産とは記述されていない。この標本が1887年に宮古島で採集されたという情報は、黒田による記載論文(1919年)の執筆の際に、採集者である田代安定への聞き取りによって得られたものである。しかし、有能な植物学者だった田代は南西諸島の調査の後も南太平洋の島々の人類学、植物学研究を進め、1889(明治22)年8月から翌年2月にかけて行った調査の際、1890年1月29日から2月6日までグアム島に滞在している。そこでも研究用に鳥類標本を入手したことは比較的容易に想像され、標本の照会の際にも手帳などの記録を確認したのではなく、日付と場所から宮古島を当てはめただけなのではないかと考えられている。ズアカショウビンのグアム島に生息する亜種とミヤコショウビンの形態的な違いはごくわずかとされ、その相違については変異個体ではないかとの指摘がある。 近年、古い剥製からもDNAの採集が可能となっているため、DNA分析による研究が期待されている。
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