種としてのトマト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:55 UTC 版)
トマトは長らく独自の属(トマト属 Lycopersicon)に分類されてきたが、1990年代ごろからの様々な系統解析の結果、最近の分類ではナス属(Solanum)に戻すようになってきている。元々リンネはトマトをナス属に含めて lycopersicum(ギリシャ語 lycos「狼」 + persicos「桃」)という種小名を与えたが、1768年にフィリップ・ミラーがトマト属を設立して付けた Lycopersicon esculentum が学名として広く用いられてきた。この学名は国際藻類・菌類・植物命名規約上不適切な(種小名を変えずに Lycopersicon lycopersicum とすべき)ものであったが、広く普及していたため保存名とされてきた。しかし系統解析によりトマト属に分類されてきた植物がナス属の内部に含まれることが明らかとなったため、ナス属を分割するか、トマト属を解消してナス属に戻すかの処置が必要になった。したがってリンネのやり方に戻して、学名も Solanum lycopersicum とするようになっている。 植物学において近年、トマトはナス科のモデル植物として注目されている。Micro Tom は矮性で実験室でも育成が可能な系統として利用されている。また、国際的なゲノムプロジェクトも行われ、ゲノム(約3万5千個の遺伝子の位置・構造、7億8千万の塩基配列)を解読した。
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