種としてのイエネコ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 08:53 UTC 版)
イエネコは従来、ネコ科ネコ属のネコという種 (Felis catus) とされてきたが、最近になって、ヨーロッパヤマネコ (Felis silvestris) の一亜種 (Felis silvestris catus) もしくはそれ以下の変種等とみなされるようになった。すなわち、野生化したイエネコである野猫と、本来的な野生動物であるヨーロッパヤマネコとは、亜種という区分においてのみ遺伝的に異なるグループである。従って、イエネコとその他のヨーロッパヤマネコとは交雑する。 ただし、日本に生息する対馬のツシマヤマネコ (Prionailurus bengalensis euptilura) 、および西表島のイリオモテヤマネコ (Prionailurus bengalensis iriomotensis)では、イエネコと交雑した例は見つかっていない。この両者は共にベンガルヤマネコ Prionailurus bengalensisの亜種であるが、ベンガルヤマネコの他の亜種では飼育下で交雑した例があり、それにより生まれた子猫がイエネコの品種の一つベンガルの基になったと言われる。 日本には本来、自然界に存在するネコ科の動物は、イリオモテヤマネコとツシマヤマネコだけであったが、例えば奄美大島では、畑や集落周辺には猛毒を持つハブが棲息しており、餌となるネズミを求めて人の生活圏にも出没する。そのため、ネコを放し飼いにしてネズミを獲らせ、ハブが近づかないようにした。このように人が持ち込んだネコが放し飼いにされ、自力で小動物を捕食して生きていけるようになったネコが「ノネコ」と言われる。
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