移植・植付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 02:06 UTC 版)
環境保護活動や環境教育イベントとして、サンゴの移植が行われることが多いが、日本サンゴ礁学会では2004年11月に「造礁サンゴの移植に関してのガイドライン」を発表し、「日本サンゴ礁学会としては、手放しで移植事業を奨励することはできない」とした上で、以下の留意すべき点を挙げている。 サンゴ礁生態系の遺伝的撹乱に注意すること サンゴの密漁や違法流通を助長させないこと 移植用サンゴの採補にあたって親群体(ドナー)への影響を極力避けること 移植用サンゴは関係法令に基づいて採集されたものであること 移植技術の向上を図り、移植前後の調査を移植後の管理を行うこと 科学的裏づけのない単なる集客目的のイベントにしないこと 沖縄県では2009年3月に行政や研究者以外を対象に、サンゴ礁保全の基本的理念、サンゴ移植の基本的理論・実践方法をまとめた「沖縄県サンゴ移植マニュアル」を公表している。また、環境省が2010年4月に策定した「サンゴ礁生態系保全行動計画」では、サンゴの移植について、場所・種・遺伝的系統を適切に考慮しなければ効果が期待できないこと、種レベル又は遺伝子レベルの攪乱を生じる危険性があること、移植方法によってはサンゴを損傷する恐れがあること等が指摘され、取り組みの方向性として、移植については技術的な手引き書や優良事例の普及が重要であること、有性生殖によるサンゴの人工増殖等の他の手段の検討や促進が重要であることが挙げられている。 2010年には養殖したサンゴの移植を題材とした映画「てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜」が公開されている。
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