禁欲の放浪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 04:57 UTC 版)
二度目の放浪は、アルジュナ単独での放浪である。クル王国に帰還し、伯父・ドリタラーシュトラ王より未開の地であったカーンダヴァプラスタを譲渡されたパーンダヴァはこの地に国を興す。インドラプラスタと呼ばれた都で、パーンダヴァは平和に暮らす。ところがある日、牛を奪われて困っているバラモンに助けを求められたアルジュナは、兄弟間の「他の兄弟がドラウパディーと寝室にいる場合は、部屋に入ってはならない。もし、入った場合は十二年間の禁欲生活を送る。」という誓いを破り、部屋に入って弓を取り、バラモンを助ける。誓いに従ってアルジュナは進んで放浪の旅へと出る。この旅の中で、ナーガ族の姫・ウルーピーと出会い、ウルーピーとの間にイラーヴァットという息子をもうける。その後、チトラヴァーハナ王の元を訪れ、娘のチトラーンガダーを娶り、バブルヴァーハナという息子を授かる。その後、クリシュナの妹・スバドラーと恋に落ち、クリシュナの勧めで略奪婚によりスバドラーと結婚する。これはクシャトリヤに相応しい結婚の方法の一つで、男が妻にしたい女を自らが操る戦車に乗せて連れ去るというものである。スバドラーとの間にはアビマニユという息子を得る。十二年の放浪の後、スバドラーという新妻を伴って帰ってきたアルジュナに対し、ドラウパディーは不機嫌になるが、スバドラーが機転を利かせドラウパディーを姉として敬ったために事なきを得た。国へ帰ってきたアルジュナは、アグニ神の求めに応じ、クリシュナと共にカーンダヴァの森を焼く。この際、アルジュナは自らの腕力に釣り合う武器を求め、神弓・ガーンディーヴァと矢が尽きることのない二つの箙を森を焼くために得る。アルジュナとクリシュナは、諸神の要請により森火事を妨害にきたインドラ神などの多数の神々と、二人だけで戦いを行い、神々を退却させる。インドラ神はこの武勇の報酬として、後日シヴァ神を満足させたとき、アルジュナに天界の武器を与えることを約束した。
※この「禁欲の放浪」の解説は、「アルジュナ」の解説の一部です。
「禁欲の放浪」を含む「アルジュナ」の記事については、「アルジュナ」の概要を参照ください。
- 禁欲の放浪のページへのリンク