祁門の現況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/21 09:48 UTC 版)
最高の祁門紅茶を作り続けてきた「安徽省祁門製茶工場」は2005年に閉鎖され、その後は中国国内の紅茶ブームに乗って外地(他県や他省)からの投資による茶工場経営が活発化し多くの茶工場が乱立するようになる。安徽省祁門製茶工場の設備と施設は浙江省の茶会社に買収されたが人材は散逸した。同工場が閉鎖した2005年以降、祁門紅茶の品質は年ごとに低下し逆に価格は上昇していく。投資企業は投入資金の早期回収を急ぐため、原料茶葉の質や製茶コストを落とし価格は逆に引き上げた。これが市場全体における価格の上昇と品質の低下を招く一因となったともいわれている。 特にこの数年来中国茶の泡沫経済は頂点に達し、「値段が高ければ高いほど売れる」状況で、それに伴い良質原料茶葉の奪い合い、伝統的な祁門紅茶とは異なる異常な高額茶葉の出現、富裕層による値段のつり上げ、目に見える品質の劣化などの事態に陥った。上記の品質規格などはほぼ無視されるも同然になり、等級は各茶工場が独自で定めるなど規律の乱れを引き起こしている。現地の話ではこうした混乱状態や品質低下の問題などが、伝統ある祁門紅茶の信用と栄誉に深刻な打撃を与えていることに対しての強い危機感があり、早期の適正化が求められている。
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