眼位の矯正と視機能の正常化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/31 03:05 UTC 版)
「斜視手術」の記事における「眼位の矯正と視機能の正常化」の解説
矯正量の不足または過剰:手術後、眼の位置は正位またはほぼ正位(矯正)になるが、矯正が過剰または不足の場合、さらなる治療または再手術が必要になる。長期的結果でみると、手術後にある程度の両眼協調がみられる場合、そうでない場合よりも眼位がそのまま正常な位置に留まる可能性が高くなる。患者が手術後にある程度の両眼融合を達成できる場合は、そうでない場合よりも長期にわたって目が整列したままになる可能性が高くなります。 先天性内斜視患者の術後6か月の経過観察の時点で斜視角が小さい(8 ジオプター )内斜視または外斜視が見られる患者を対象にした研究では、斜視角が小さい内斜視患者は同じ斜視角の外斜視患者と比べると手術から5年後でも眼位が矯正されたままになる可能性が高いことが分かった。 先天性内斜視患者の小児は、外科的治療が早期に行われた場合、術後に立体視がより向上するという暫定的な証拠がある( 乳児内斜視#手術参照 )。 その他の症例報告:斜筋障害のための斜視手術後に、恒常性外斜視を引き起こすことがある。 まず最初に、交代性上斜位が検出される場合があるが、 子供の場合、早期手術をした方がこの重症度は低くなる傾向がある。 次に、斜視手術は主観的および客観的な回旋偏位を引き起こすことがあり、視覚系がそれを補うことができない場合は、回旋斜位および回旋複視が生じることがある。 水平直筋のみの手術後に現れる垂直偏差、 AパターンとVパターン 、および回旋斜位は特定の外科的予防措置を講じることにより予測または回避できることが知られている。 機能的考察:斜視手術後、続発性の単眼固定症候群が発症することが多い。 機能の改善とさらなる利点:長年の間、長期にわたる斜視の成人患者は手術によって整容(見た目)だけが改善されると考えられていた。しかし近年では、このタイプの患者でも、術後の運動アライメントが非常に高いと両眼視機能が改善されるケースがあった。 内向斜視の場合、矯正により患者の両眼視野が広くなり、 周辺視が改善される。 さらに、眼のアライメントの矯正は、患者に心理社会的および経済的な利益にもつながる( 斜視の心理社会的影響も参照)。
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