直近の拡大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 19:33 UTC 版)
2007年にブルガリアとルーマニアが、2013年にクロアチアが加盟したことにより、欧州連合の加盟国数は28に達した。従来の基本条約における制度では、欧州委員会の委員は加盟国から1人ずつ出し、また無任所としないということになっていたため、委員の数も28にまで増え、担当分野も分掌が繰り返された。その結果、組織が肥大化した欧州委員会の部局間でセクショナリズムが激化し、業務効率が低下した。また立法手続においても欧州連合理事会における政策決定過程が大国有利であるという批判や、全会一致を要する案件となる対象分野が多く、意思決定に時間がかかるといった難点を克服するため、またそのような政策決定に対する欧州議会の関与を強化するための改革が求められていた。そのような改革を盛り込んだのが2004年11月にローマで調印された欧州憲法条約であったが、その超国家主義的な性格が敬遠され、フランスとオランダの国民投票で批准が拒否されるという事態となり、結局のところ同条約は発効が断念された。その後2007年12月に、欧州憲法条約の内容をそっくり引継ぐリスボン条約が調印され、リスボン条約は2009年12月1日に発効した。 従来の基本条約では加盟国数の上限を27とすることが想定されていたため、リスボン条約では将来の新規加盟の受け入れ態勢を整備するという目的も含まれている。2005年、欧州理事会はクロアチアとトルコを加盟候補国とすることを決定し、その後加盟に向けた協議が開始されている。クロアチアとEUとの加盟交渉は2011年6月に終了し、2013年にはクロアチアが28番目の加盟国となった。 北欧のアイスランドは2009年7月23日に正式な加盟申請を行い、加盟候補国として承認された。加盟交渉は進んでいたが、政府は2014年秋にEU加盟の国民投票が行われるまで、加盟交渉の凍結を表明した。結局国民投票は行われず、2015年3月12日、アイスランドは加盟申請を取り下げた。
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