直流制動
直流制動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 14:09 UTC 版)
誘導電動機の固定子に直流電流(周波数が0 Hzの交流)を流すことにより、負荷を短絡した回転電機子形同期発電機として運動エネルギーを回転子のジュール熱に変換するブレーキである。制動力は誘導電動機の起動トルク相当であり、かご形三相誘導電動機の場合、低速時から停止時に至る速度域で制動力を発揮できる。巻線形三相誘導電動機の場合、二次抵抗を増やし、外部に接続した二次抵抗器によって回転子に生じた電力を熱エネルギーに変換できるため直流制動域を増やすことができ広範囲の速度域において制動力を発揮できる。特にクレーンにおいては直流制動のことをダイナミックブレーキとも言う。永久磁石同期電動機においては停止直前でないと過大な電圧が固定子に誘起されインバータ素子を破壊するか、モーターの過熱により内部の永久磁石の減磁を招くため停止速度近辺でのみ使用する。いずれにおいても制動トルクは高々電動機の起動トルク相当にとどまり、回転子をロックできないため単独では使用できず摩擦ブレーキを併用しなければならない。
※この「直流制動」の解説は、「ブレーキ」の解説の一部です。
「直流制動」を含む「ブレーキ」の記事については、「ブレーキ」の概要を参照ください。
- 直流制動のページへのリンク