発見史と復元史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 18:56 UTC 版)
アラルコメネウスはカナダのバージェス頁岩で見つかった Alalcomenaeus cambricus によって最初に知られ、Simonetta 1970 に命名された。本種は記載がなされる頃から長らく数点の化石標本のみ発見されたため、かつてはバージェス動物群における希少な種の1つと考えられた。しかし1983年の発掘調査では300点以上の新たな化石標本が発見されており、普遍な種であると判明した。 原記述である Simonetta 1970 の復元では A. cambricus は10節の胴部と7対の頭部付属肢があるとされ、そのうち最初の1対(大付属肢)は単純の触角様に復元された。Whittington 1981 は本種に対して再検討を行い、顎基の存在を判明し、胴部は12節で、頭部付属肢は4対とされてきたが、大付属肢は依然として単純の触角様に解釈された。Briggs & Collins 1999 は数多な標本を基に本種に対して全面的な再記述を行い、台形の背甲・大付属肢の3本の鞭毛・11節の胴部・胴部付属肢の肢節数・尾節の剛毛などを判明し、眼は5つ、頭部付属肢は3対とされていた。それ以降の研究では Briggs & Collins 1999 の復元がほぼ認められつつも、眼は確実に言えるのは2対のみ、頭部付属肢はおそらく4対があるなど、一部の特徴に対して別の解釈を与えられた。 中国の Maotianshan Shale(澄江動物群)とアメリカのグレートベースン(Pioche Formation と Marjum Formation)で見つかった本属の未命名標本は、本属の分布域と生息時代を大きく拡張した(前述参照)、加えて、これらの標本の中で中枢神経系の痕跡が保存されたものもあり、メガケイラ類の神経解剖学、系統位置、大付属肢の由来、および本属の頭部付属肢構成に重要な情報を与えていた(Megacheira#神経系、Megacheira#大付属肢の対応関係、Megacheira#系統位置を参照)。
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