異説に対する反論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 00:11 UTC 版)
一方、実際のハチには、この説と合致しない行動が知られている。 屋台が出ない朝9時にも必ず駅に通っていた。「ハチの渋谷駅へ行く日課は正確であった。小林宅を出るのは毎日午前九時ごろ。しばらくすると戻る。夕方は四時近くなると出かけ戻るのは午後五時過ぎから六時頃であった。これは、上野が朝出かける時間と夕方の帰宅時間であった」。 餌を貰えるようになったのは、駅通いしていた9年間のうち、美談として報道されたのちの有名になった最後の2年間のみであった。それ以前は駅員や焼き鳥屋、子供など駅周辺の人々から邪険に扱われており、時には暴力を受けるほどであった。 上野に代わった飼い主・小林菊三郎はハチを大切に世話しており、食事として牛肉を与えていた。それを食べていたなら、ハチが空腹になることは考え難い。 ハチが座っていたのは駅前の屋台の近くではなく、上野が出てくる改札口に接する小荷物窓口の近くに座っていた。 ハチに声をかけてパンを鼻先に置く人がいても、ハチは横になったままそれを眺めるだけであまり食べようとしなかった。 また、ハチの美談を世に知らしめた斎藤弘吉は、「有名になるといつの世でも反対派が出るもので、ハチが渋谷駅を離れないのは焼鳥がほしいからだと言いだす者が出た。ハチに限らず犬は焼鳥が一番の好物で、私も小林君もよく買って与えていたが、そのためにハチが駅にいるようになったものでない…」と、自身の著書の中で異論に反対している。
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