甲冑用語説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 16:40 UTC 版)
指定文化財の名称を理解するために、必要最小限のものについて略説。 甲冑用語説明 鎧(よろい)、胴丸(どうまる)、腹巻(はらまき) これら3つは中世以前に盛行した日本甲冑の主要形式である。「鎧」は「大鎧」(おおよろい)、「式正の鎧」(しきしょうのよろい)とも言い、武将などが着用した馬上戦用の鎧であり、「胴丸」「腹巻」はいずれも南北朝時代以降に盛行したもので、「鎧」よりは簡便な構造形式になる。それぞれの詳しい構造形式等についてはリンク先を参照。 袖(そで) 両肩・上腕部を護る防具で、甲冑本体と同様の材料・技法で作られる。形状により大袖、壷袖などに分けられる。 威(おどし) 甲冑の主要な構成要素である小札(こざね、鉄板または練革製の小板)を組糸や韋(かわ)で縦方向に連結することを「威す」と言う。「威」の語源は「緒通し」、すなわち、小札に開けられた孔に緒を通すところから来ていると言われる。糸や韋の色によって「白糸威」「紫韋威」「藍韋威」「紫糸威腰赤」「藍韋威胸紅白」など、さまざまな名称が付けられる。 韋(かわ) 甲冑の各所に用いられている鹿のなめし革を指す場合「韋」の字を用いるのが通例となっている。威糸のほか、兜の吹き返しなどの鉄板を包むのにも用いられている。 熏韋(ふすべかわ) 鹿のなめし革をわら、松葉などを焼いた火であぶって茶色に染めたものを指す。 褄取(つまどり) 単色の威の褄(隅の部分)を三角形に区切り、その部分のみに別色を用いた装飾方法を指す。「白糸威褄取」のように用いる。 腰取(こしとり) 単色の威の中に1箇所のみ水平に別色を用いたものを指す。 沢瀉威(おもだかおどし) 威の種類の1つで、中央部分に二等辺三角形状に別色の糸を用いるもの。 素懸威(すがけおどし) 威糸をまんべんなく並べる「毛引威」に対して、要所のみを威す方法を指す。中世末期以降の甲冑製作技法の進歩によって行われるようになった。 筋兜(すじかぶと) 縦長の鉄板を複数枚張り合わせて作った兜のうち、張り合わせ部分に補強と装飾を兼ねて筋を立てたものを指す。筋の数によって「二十八間筋兜」「三十二間筋兜」などと称する。
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