生理的機能における例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 02:08 UTC 版)
以上、この説は主として解剖学的な構造を元に唱えられたが、後に生理学的な分野でも類例が発見された。例えば、動物は一般に代謝の過程でタンパク質の分解産物としてアンモニアを生じ、これを排出するが、アンモニアは水溶性のため、水に溶けた形で排出せねばならない。陸上生活では水は貴重であるから、これを避ける適応として、両生類ではアンモニアから尿素を合成し、体内で蓄積して排出する。さらに爬虫類・鳥類では不溶性の尿酸とすることで水分の排出量を大きく減少させた。 ところが、鳥類の胚はアンモニアや尿素を排出していることが分かった。ニワトリの場合、最初期にはアンモニアを排出し、その量は4日目頃が最高となる。しかし3日目頃より尿素の合成が始まり、そのピークは10日目頃になる。さらに遅れて5-7日目頃より尿酸の合成が始まり、12日目頃以降はこれが主体となる。つまり、発生の過程で排出物の種類も進化の過程をたどるように変化していることが分かっている。 逆の例がアフリカツメガエルで、このカエルは一生涯を水中生活で過ごし、成体もアンモニアを排出している。ところが、変態直後には一時的に尿素を排出する。これもこのカエルが陸上生活の祖先を持つもので、現在の水中生活が二次的なものと考えると説明が付く。
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