生合成・代謝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 04:49 UTC 版)
グリシンは糖原性アミノ酸の1つである。 グリシン開裂系はテトラヒドロ葉酸により以下の反応でグリシンを開裂する。 テトラヒドロ葉酸 + グリシン + NAD+ = 5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸+ NH3 + CO2 + NADH + H+ グリシン開裂系とは別に、グリシンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ)(EC 2.1.2.1)の働きにより、可逆的にグリシンをL-セリンに相互に変換し、5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸をテトラヒドロ葉酸に変換する反応が触媒される。 5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸+ グリシン + H2O = テトラヒドロ葉酸 + L-セリン グリシン開裂系とセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼによる2つの反応を複合すると以下の反応式が示めされる。また、その全容は図の通りである。 2 グリシン + NAD + + H 2 O ⟶ {\displaystyle {\ce {+ NAD+ + H2O ->}}} セリン + CO 2 + NH 3 + NADH + H + {\displaystyle {\ce {+ CO2 + NH3 + NADH + H+}}} グリシンが仮に脱アミノ化を受けるとグリコール酸が生成し、酸化を受けるとグリオキシル酸が生成するが、グリオキシル酸はヒトではエチレングリコールからシュウ酸に代謝される際の中間体で、酸化を受けると有害なシュウ酸が生成される。その反応を回避する観点から、グリシンの代謝は重要な意義がある。
※この「生合成・代謝」の解説は、「グリシン」の解説の一部です。
「生合成・代謝」を含む「グリシン」の記事については、「グリシン」の概要を参照ください。
- 生合成・代謝のページへのリンク