生合成と構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 23:41 UTC 版)
mRNAと同様にRNAポリメラーゼⅡによって転写される。mRNAと同様に3’末端にポリA尾部をもつ。mRNAのポリA尾部は、まずmRNAの新生鎖がポリAシグナルと呼ばれる配列の近傍で切断され、次いで切断により生じた3’末端がポリAポリメラーゼによってポリアデニル化されることで形成される。MALAT1ではmRNAとは異なる経路でポリA尾部が形成される。MALAT1の3’末端形成にtRNAのプロセッシング因子が関与している。MALAT1の新生鎖の3’末端側にはtRNAに類似したクローバー葉構造をとる配列がコードされている。この配列をmascRNA(MALAT1-assosiated small cytoplasmic RNA)という。RNase PはtRNAのプロセッシングと同様にmasc RNAの5’末端側を切断し、新生鎖からMALAT-1が産出される。その後、同じくtRNAのプロセッシング因子であるRNase ZによってmascRNAの3’末端側が切断され、mascRNAが切り出される。切り出されたmascRNAの3’末端にはtRNAと同様にCCA付加酵素によりCCA配列が付加され、その後mascRNAは細胞質へ輸送される。mascRNAの機能は明らかではない。一方、切り出されたMALAT1はその3’末端がAにと富む配列で構成されており、上流にあるUを富む2箇所の配列とともに三重らせん構造を形成する。三重らせん構造はヌクレアーゼによる分解から3’末端を保護することでMAALT1の安定化に寄与する。MALAT1は核内に局在するが、特に核スペックルに局在する。 試験管内翻訳では蛋白質は合成されず、目立った蛋白質読み取り枠(ORF)もない。
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