環礁の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 22:40 UTC 版)
ボカック環礁は南北方向の向きでほぼ三日月型をしており、内側の弧はおよそ9.0 km、外側の弧はおよそ17.7kmである。環礁は西側にある幅20mの水路を除いて繋がっており、10の小島が東部、及び東南部にある。小島のうち主なものは、カムウォーム島、ウイッジェ島、シビリア島、ボカック島、そしてボクワラ島である。この中でシビリア島が一番大きく、長さはおよそ7.24 km、幅は最大で304mである。2番目に大きな島が北東部に位置するシビリア島で、環礁の名称の元になったボカック島はこの南にある。 マーシャル諸島のラリック列島にあるエニウェトク環礁で行われた掘削作業の結果、ボカック環礁は玄武岩の上に1400mのサンゴが積み重なった構造であることが分かった。殆どの珊瑚礁は海面下およそ50mまでが成長の範囲であり、この様な分厚い石化したサンゴの層が示すのは地底にある死火山の地盤(アイソスタシー)沈下によるものと思われている。環礁の地盤は、周囲の海底から3,000mも隆起している。環礁の浅瀬の石化サンゴは、エニウェトク環礁から5,500万年に渡って供給されたものと推定されている。 巨岩と砂による高い尾根は、小島が激しい嵐に会い続けてきたことを特徴付けている。幅のある小島の内陸は砂と礫から成っており、海岸背後の部分は砂と砂利の低い尾根になっている。環礁の土は非常に未成熟で、きめの粗いサンゴ砂と様々な種類の砂利にごく少しの腐葉土が蓄積しているだけである。環礁はとても浅く、殆どが30m以内の深さであり、そこには多くのサンゴが群生しており、そのうちのいくつかは海面にまで達している。 環礁の水面は周囲の海面より90cmほど高くなっているが、これは海上を吹く風に運ばれた海水が入り込むためで、唯一の狭い水路が風下に位置していることも影響している。環礁内の水は、サンゴ砂で出来た縁と風下側の傾斜した面から外側に向けて流れている。風上側の環礁の外側は分厚い藻に覆われており、環礁の南部と西部のサンゴに覆われた狭い平地は、波の静かな間だけ上陸できる。環礁の最も西側にある藻に覆われたごく小さな縁は10~15cmの高さがあり、東向きの海岸の前面と、風上側の海岸にある小さなサンゴと共に”タオンギ”独特の特徴だと思われる。この縁は、サンゴの海岸上を越えて常に流れる海水によって維持されている。
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