理論的の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 16:34 UTC 版)
理論的辞書学は辞書学と同じ側面に関わっているが、将来の辞書の質を、例えば辞書内の情報を入手する方法やその不便さの点において改善し得る原理を作り出すことを目的としている。辞書についてのそのような学問的研究のうち、いくつかの観点や派生が顕著になってきている。以下に例を挙げる。 批評 長短・優劣・是非などの指摘によって一つ以上の辞書の質を評価すること。例えばニールソンが1999年に述べたようなもの。 歴史 特定の国または特定の言語におけるある種の辞書や辞書学の伝統を調査すること。 類型論 参考図書のさまざまなジャンルを類別すること。例えば辞書と百科事典、一言語辞典と二言語辞典、一般辞書と専門的あるいは教育学的な辞書など。 構造 情報が表現されるさまざまな方法を定めること。 使用法 利用者が辞書を引く行動やその技術を観察すること。 IT化 辞書の編纂過程にコンピュータを導入すること。 考慮しておくべき重要なことの一つとして「二言語の辞書学」がある。これは二言語辞典のあらゆる面での編集と使用である。この種の辞書には比較的長い歴史があるが、二言語辞典は、特に片方が主要な言語ではない場合、一言語辞典と比べて多くの点において未発達であるということがよくいわれている。このことが新たな派生を生み出すこともある。例えばA・S・ホーンビーの(Oxford) Advanced Learner’s Dictionary English-Chinese 、これは既存の一言語辞書を翻訳して作成されたものであり、このような「セミ・バイリンガル」ないし「二言語化された」辞書はその一例である。しかし、LSPや学習者用、百科事典的なものなど、二つ以上の言語に関わる場合にはあらゆる分野における参考資料があるわけではない。
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