理論的な歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 07:22 UTC 版)
モデルに依存するが、原始ブラックホールは 10-8 kg (プランク質量程度の、いわゆる「プランクの遺物」) から、太陽質量の数千倍を超える初期質量を取りうる。しかし、初期の質量が 1012 kg を下回る原始ブラックホールはホーキング放射によって宇宙年齢よりも短い時間で完全に蒸発してしまうため、現在まで生き延びることができない。原始ブラックホールは非バリオン的であり、そのため暗黒物質の有望な候補である。原始ブラックホールはまた、重い銀河中心部での超大質量ブラックホールや、中間質量ブラックホールの種の有望な候補でもある。 原始ブラックホールは MACHO に分類される。これらはダークマターの良い候補物質である。ほぼ非衝突で、(十分な質量を持つ場合は) 安定であり、非相対論的な速度を持ち、宇宙の歴史の中で非常に初期 (典型的にはビッグバン後1秒未満) に形成されるからである。しかし、様々な天体物理的あるいは宇宙論的な観測によって原始ブラックホールの存在量への厳しい制約が与えられており、原始ブラックホールが取りうるもっともらしい質量の範囲では、ダークマターの全体に大きく寄与している可能性は否定されている。
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