理藩院(理藩部)の法典による「外藩蒙古」の分類
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外藩蒙古は法制上さらに「内ジャサク六盟四十九旗」と「外ジャサク四部落等処一百五十旗」とに大別される。 内ジャサク(dorgi Jasak、内扎薩克)に分類される諸侯はダイチン国(清朝)の建国初期(17世紀初頭-1636年)に服属したものたちで、その分布は西は現在のフフホト市から東はヒンガン盟にいたる、今日の内蒙古自治区の中央部を占める。 「外ジャサク四部落等処」に分類されるのは1693年以降に清朝に服属した諸侯で、今日の内モンゴル自治区の東部(フルンボイル市)や西部(アルシャー盟)、現モンゴル国、現新疆・青海などに居住した諸侯をさす。 清朝における「藩部」の法典のうち、最後に編纂された『欽定理藩部則例』(1908)は、外藩蒙古を「内ジャサク六盟四十九旗」と「外ジャサク四部落等処一百五十旗」に2分している。その詳細は以下のとおり。 「内ジャサク六盟四十九旗」 ジェリム盟(哲里木盟)十旗 ジョソト盟(卓索図盟)五旗 ジョーオダ盟(昭烏達盟)十一旗 シリンゴル盟(錫林郭勒盟)十旗 ウランチャブ盟(烏蘭察布盟)六旗 イフ・ジョー盟(伊克昭盟)七旗 「外ジャサク四部落等処一百五十旗」 喀爾喀汗山盟圖什業圖汗部落二十旗 (現モンゴル国所属) 喀爾喀克魯倫巴爾城盟車臣汗部落二十三旗 (現モンゴル国所属) 喀爾喀扎克河源畢都哩雅諾爾盟扎薩克圖汗部落十九旗 (現モンゴル国所属) 喀爾喀齊齊爾哩克盟三音諾彦部落汗二十四旗 (現モンゴル国所属) 駐箚西寧辦事大臣所屬二十九旗 (現中国(青海省)所属) ホブド(科布多)参賛大臣所屬十九旗 (現モンゴル国)所属) イリ(伊犁)将軍所屬十三旗 (現中国(新疆ウイグル自治区)所属) 陝甘総督所屬額濟納舊土爾扈特扎薩克多羅貝勒一旗 (現中国(内モンゴル自治区)所属) 駐箚寧夏理事司員所屬阿拉善霍碩特扎薩克和碩親王一旗 (現中国(内モンゴル自治区)所属) 黒龍江将軍所屬伊柯明安額嚕特扎薩克頭等台吉一旗 (現中国(内モンゴル自治区)所属) に区分している。 以上のほかにも清朝に臣従したモンゴル系の集団としては、青海地方の玉樹四十族の一部には青海トゥメト部の末裔があり、ダンラ山脈をはさんで玉樹四十族の南方にはモンゴル系のホル三十九族、ダム草原にはオイラト系の達木蒙古が分布するが、これらの集団の首長達は外藩蒙古には含まれない。
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