フルンボイル市とは? わかりやすく解説

フルンボイル市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/06 06:34 UTC 版)

中華人民共和国 内蒙古自治区 呼倫貝爾市
フルン湖
フルン湖
内モンゴル自治区の中のフルンボイル市の位置
内モンゴル自治区の中のフルンボイル市の位置
中心座標 北緯49度14分40.10秒 東経119度45分14.64秒 / 北緯49.2444722度 東経119.7540667度 / 49.2444722; 119.7540667
簡体字 呼伦贝尔
繁体字 呼倫貝爾
拼音 Hūlúnbèi'ěr
カタカナ転写 フールンベイアール
モンゴル文字 ᠬᠥᠯᠦᠨ
ᠪᠤᠶᠢᠷ
ᠬᠣᠲᠠ
モンゴル語キリル文字 Хөлөнбуйр Хот
モンゴル語ローマ字転写 Kölön Buyir qota
国家 中華人民共和国
自治区 内蒙古
行政級別 地級市
面積
総面積 263,953 km²
人口
総人口(2010) 269 万人
経済
電話番号 0470
郵便番号 021000
ナンバープレート 蒙E
行政区画代碼 150700
市樹 樟子松
市花 エゾムラサキツツジ
公式ウェブサイト www.hlbe.gov.cn

フルンボイル市(フルンボイルし、慣用読み:ホロンバイルモンゴル語: ᠬᠥᠯᠥᠨ
ᠪᠤᠶᠢᠷ
ᠬᠣᠲᠠ
/ Хөлөнбуйр Хот
, ラテン文字転写: Kölön Buyir qota)は、中華人民共和国内モンゴル自治区北東部に位置する地級市。漢名は呼倫貝爾市中国語: 呼伦贝尔市, 拼音: Hūlúnbèi'ěr Shì)。市名はモンゴル語で、地区に含まれる湖であるフルン湖(呼倫湖)とボイル湖(貝爾湖)に因む。東西 630 キロメートル、南北 700 キロメートル、総面積 264,000 平方キロメートルで、山東省江蘇省の面積の総和より大きい。人口約269万人。

地理

市域を南北に大興安嶺山脈が走り、嶺西地域と嶺東地域に分ける。嶺西地域はモンゴル平原に隣接する。南部は内モンゴル自治区ヒンガン盟(興安盟、ヒンガン・アイマグ)、東部は嫩江を境界として黒龍江省と接し、北部および北西部はアルグン川を境界としてロシア連邦、西部および西南部はモンゴル国と接する。

気象

内陸性の気候のため、冬季は厳しい寒さとなる。2014年1月10日の冷え込みでは、市内の観測地点で-46.1℃を観測した[1]ケッペンの気候区分では亜寒帯冬季少雨気候(Dwb)に属する。

ハイラル区 (平年値1981−2010年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F −1.0
(30.2)
4.3
(39.7)
16.2
(61.2)
29.4
(84.9)
33.7
(92.7)
38.8
(101.8)
39.5
(103.1)
36.9
(98.4)
33.2
(91.8)
26.2
(79.2)
12.2
(54)
2.4
(36.3)
39.5
(103.1)
平均最高気温 °C°F −19.2
(−2.6)
−13.5
(7.7)
−3.4
(25.9)
9.5
(49.1)
18.4
(65.1)
24.4
(75.9)
26.1
(79)
24.3
(75.7)
17.6
(63.7)
8.0
(46.4)
−5.8
(21.6)
−16.2
(2.8)
5.85
(42.53)
日平均気温 °C°F −24.8
(−12.6)
−20.3
(−4.5)
−9.9
(14.2)
3.0
(37.4)
11.6
(52.9)
18.0
(64.4)
20.4
(68.7)
18.3
(64.9)
10.8
(51.4)
1.2
(34.2)
−11.7
(10.9)
−21.4
(−6.5)
−0.4
(31.28)
平均最低気温 °C°F −29.2
(−20.6)
−25.7
(−14.3)
−15.8
(3.6)
−3.0
(26.6)
4.4
(39.9)
11.4
(52.5)
14.9
(58.8)
12.8
(55)
5.0
(41)
−4.0
(24.8)
−16.3
(2.7)
−25.7
(−14.3)
−5.93
(21.31)
最低気温記録 °C°F −42.9
(−45.2)
−42.3
(−44.1)
−32.5
(−26.5)
−21.6
(−6.9)
−8.4
(16.9)
0.1
(32.2)
5.3
(41.5)
2.5
(36.5)
−7.9
(17.8)
−20.5
(−4.9)
−38.0
(−36.4)
−40.1
(−40.2)
−42.9
(−45.2)
降水量 mm (inch) 4.6
(0.181)
3.6
(0.142)
6.0
(0.236)
13.9
(0.547)
22.7
(0.894)
55.1
(2.169)
94.0
(3.701)
88.0
(3.465)
33.6
(1.323)
16.7
(0.657)
6.4
(0.252)
7.4
(0.291)
352.0
(13.858)
平均降水日数 (≥0.1 mm) 7.6 5.9 5.6 5.9 7.0 12.9 14.5 12.4 9.5 6.2 7.1 9.6 104.2
% 湿度 78 78 69 52 46 59 69 70 64 62 73 79 66.6
平均月間日照時間 167.0 195.6 244.1 246.2 298.0 285.9 279.8 268.7 218.6 210.1 165.3 139.4 2,718.7
日照率 63 69 67 60 63 59 58 60 58 63 60 55 61.3
出典:China Meteorological Administration (precipitation days and sunshine 19712000)[2][3]

民族

伝統的な部族集団としては清のソロン八旗に含まれたエヴェンキオロチョンホーチン・バルグ(陳バルグ)、ダグールと、バルグ八旗に編成されていたシネ・バルグ(新バルグ)がいた。このうちホーチン・バルグ、シネ・バルグは中華人民共和国の民族識別工作によりモンゴル族に編入されたが、同じモンゴル系でもダグールは単独でダグール族(ダウール族)とされた。

中華民国期以降爆発的に進んだ漢族の流入により、現代では漢族が人口の大部分を占める。少数民族は総計 458,186 人で総人口の 17.3 パーセントを占めるが、それらの中には回族満族朝鮮族などが含まれている。

歴史

呼倫貝爾地方は遊牧に好適な草原地域であり、匈奴鮮卑室韋キルギス契丹タタルなど、古来様々な遊牧民が興亡した。また、東方の森林地帯からは女真をはじめとするツングース系の民族も入り込んでおり、現在のオロチョンエヴェンキの先祖となった。

モンゴル帝国のもとではチンギス・ハーンの末弟テムゲ・オッチギンがこの地方に遊牧し、モンゴル高原東部から遼東にかけて絶大な権勢を誇った。の北走後も北元にとっての重要な拠点であったが、1388年にこの地でトグス・テムル・ハーンが殺害され、北元は崩壊した。

17世紀にはバルグ(今日のブリヤート人に近いモンゴル系部族)、ダグール(モンゴル系民族)、エヴェンキ、オロチョンなどが住んでいたこの地方はの支配下に置かれた。清は領土の北辺にあたるこの地方を支配するに当たり、八旗に準じて諸部族をソロン八旗(ソロンはエヴェンキの満洲語名)に編入し、清朝皇帝の隷臣として扱った。18世紀には外モンゴルハルハの隷属民であったバルグの別派がフルンボイルに移住されてバルグ八旗に編成され、黒龍江将軍の支配下に置かれた。

清末においてもこの地方は北方の辺境であったために漢族の流入や定住農耕化が比較的遅れ、その後も長い間遊牧生活が保たれた。1912年にロシアモンゴルボグド・ハーン政権の援助で勝福貴福らによって分離独立するも1915年に中国の特別区域となり、1919年には高度な自治権も解消された。満洲事変が起こると日本の勢力下に入り、満洲国に編入されて南のジェリム盟と合併、興安省が置かれた。さらに興安省が分割されると呼倫貝爾のうち嶺東地区は「興安東省」、嶺西地区は「興安北省」が設置された。満洲国崩壊後、興安北省省長だったエルヘムバトは侵攻してきたソ連モンゴル人民共和国の連合軍に支援されてフルンボイル地方自治政府を分離独立させる。1948年中国共産党ウランフの工作が実り、呼倫貝爾盟が設置されて内蒙古自治区に属すことになった。

1953年には海拉爾満洲里烏蘭浩特が自治区直轄市に昇格した。1969年盟の大部分は黒龍江省に編入されたが、1979年内蒙古自治区に復した。2001年10月10日、呼倫貝爾盟を廃止し、呼倫貝爾市が成立、首邑である海拉爾市は海拉爾区となった。

行政区画

2市轄区・5県級市・4旗・3自治旗を管轄する。

また、中華人民共和国民政部の行政区画データにおいて、黒竜江省大興安嶺地区ジャグダチ区松嶺区は本市のオロチョン自治旗の一部であると見なされている。

フルンボイル市の地図

年表

この節の出典[4][5]

フルンボイル・ヌン・モルン盟

ハイラル市

  • 1953年5月10日 - 東部行政公署ハイラル市が地級市のハイラル市に昇格。(1市)
  • 1954年5月21日 - ハイラル市がフルンボイル盟に編入。

満洲里市

  • 1953年5月10日 - 東部行政公署満洲里市が地級市の満洲里市に昇格。(1市)
  • 1954年5月21日 - 満洲里市がフルンボイル盟に編入。

内モンゴル自治区フルンボイル盟(1954年-1969年)

黒龍江省フルンボイル盟

  • 1969年7月5日 - 内モンゴル自治区の分割により、内モンゴル自治区フルンボイル盟が黒龍江省フルンボイル盟となる。(2市9旗3自治旗)
    • 突泉県・ホルチン右翼前旗が吉林省白城専区に編入。
  • 1970年4月1日 - オロチョン自治旗・モリンダワダウール族自治旗が大ヒンガン嶺地区に編入。(2市9旗1自治旗)
  • 1979年5月30日 - 黒龍江省の分割により、内モンゴル自治区フルンボイル盟となる。

内モンゴル自治区フルンボイル盟(1979年-2001年)

フルンボイル市

  • 2001年10月10日 - フルンボイル盟が地級市のフルンボイル市に昇格。(1区5市4旗3自治旗)
  • 2013年3月6日 - 満洲里市の一部が分立し、ジャライノール区が発足。(2区5市4旗3自治旗)

経済

大興安嶺山脈では林業、草原地帯では牧畜が盛んで、畜産加工業も発達している。ハルビンから延びる旧東清鉄道がハイラル、満洲里を通ってロシア領ザバイカリスクに入る。国境では中ロ互市貿易区が設置されている。

交通

満洲里駅
ハイラル駅

航空

鉄道

道路

出入国検査場

出典

  1. “内蒙古に大寒波、北部の呼倫貝爾で氷点下46.1度”. サーチナ. 2014年1月10日. 2014年1月11日閲覧.
  2. 中国气象数据网 - WeatherBk Data (中国語). China Meteorological Administration. 2020年4月15日閲覧。
  3. 中国地面国际交换站气候标准值月值数据集(1971-2000年)”. China Meteorological Administration. 2013年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年5月25日閲覧。
  4. 县级以上行政区划变更情况 - 中華人民共和国民政部
  5. 内蒙古自治区 - 区划地名网

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