現役時の評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 21:38 UTC 版)
タイムフォームによるレーティングでは、1964年のボールドリックは131ポンドの評価を与えられた。フロリダの新聞スター・バナー紙(Star-Banner)はボールドリックをヨーロッパの中距離最強馬と評した。 イギリスの伝統的な競馬の価値を信奉する者にとっては、アメリカ馬ボールドリックの活躍は、競馬の国際化の象徴であると同時に、アメリカ産サラブレッドによるイギリス侵略の象徴だった。かつて20世紀初頭、アメリカ国内で競馬が禁止されたせいで、アメリカ馬が大挙してイギリスへ押しかけた時代があり、その反動としてジャージー規則が制定され、イギリス人はサラブレッドの定義を狭めてアメリカ産サラブレッドを締め出そうとした。この規則は、血統書にわずかでも血統不明馬が含まれている場合にはこれをサラブレッドと認めないというもので、事実上アメリカ馬を狙い撃ちにした規制だった。この規則と、そのあとの2度の世界大戦によって、イギリスのサラブレッド界はしばしの平穏を得たのだった。しかし、戦争が終わると、アメリカからやって来たブラックターキン(Black Tarquin)とフランスのマイバブがイギリス国内の大レースのほとんどを勝ってしまうということがあった。どちらもジャージー規則によれば「サラブレッドではない馬」ということになり、イギリスのサラブレッドが「サラブレッドでない馬」に負けるということは、サラブレッドの価値そのものを根底から覆すことになるとの危機感から、イギリス競馬界はジャージー規則を撤廃し、アメリカやフランスのサラブレッドも「サラブレッド」と正式に認めることにした。その途端に、次々と「ジャージー規則が有効だったらサラブレッドとは認められなかった馬」がイギリスの大レースを勝った。ボールドリックもその1頭であり、ボールドリックはジャージー規則撤廃のきっかけを作ったブラックターキンの親戚だったのである。(#ボールドリックの母系概略図参照)
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