現在研究中の治療法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 05:49 UTC 版)
フソバクテリウム・バリウム (Fusobacterium varium) 順天堂大学医学部の大草敏史らによって、フソバクテリウム・バリウムをターゲットとした除菌療法(抗菌薬3剤併用療法、ATM療法)が2003年より臨床試験中。(抗生物質3種を服用する治療法。結節性紅斑には一定の効果があるが、潰瘍性大腸炎への有効性は確認されていない。) 抗菌薬多剤併用療法 アモキシシリン、テトラサイクリン、メトロニダゾールを経口投与し、症状の軽減が図られる。 健常人糞便腸注(糞便移植)療法 「便微生物移植」を参照 ビフィズス菌含有大腸崩壊性カプセル 腸内細菌叢を改善するためにヨーグルトなどの乳酸菌やビフィズス菌 (Bifidobacterium) 含有食品の摂食を行っても、大腸までは到達し難いため、大腸崩壊性カプセルにビフィズス菌を内包させた物を経口投与した結果、症状の改善が視られたとする報告がある。 テルペノイド・ゾナロール 2014年 東京工科大学応用生物学部佐藤拓己らのグループが、テルペノイド・ゾナロールによる潰瘍性大腸炎抑制効果を発見した。このテルペノイド・ゾナロールは、褐藻類シワヤハズに含まれるものとのこと。 分子標的治療薬 抗体製剤や遺伝子組換え製剤ではない小分子薬剤であるJAK阻害剤が研究段階にある。 豚鞭虫 東京慈恵会医科大学で患者の腸に寄生虫の卵を入れることで免疫活動を安定させる研究が進められている。 その他 東京医科歯科大学のチームが、患者の大腸から粘膜のもとになる幹細胞を採取・培養して患部に移植し、粘膜を再生する初の臨床研究に乗り出す。粘膜が深く傷ついた重症患者が対象で、2018年秋にも1例目を行う。この再生治療が成功すれば、重症患者も再発しない状態まで回復する可能性がある。
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