現代社会と呪術医
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/26 02:28 UTC 版)
近代にてこれら呪術医の類型と見なされていた東洋医学の鍼治療(針治療とも)も、欧米の現代医学上で一定の治療効果が認められ、1970年代以降より徐々にその利用者が増えている。ニクソン大統領1971年訪中の際に同行した記者が、鍼麻酔により虫垂炎の治療を受けた体験談が米国メディアで伝えられた事が、欧米でも一般に広く利用・または真面目に研究されるきっかけとなったとされている。(鍼の項を参照) 他方、古くから各地に伝わる呪術・古代医療に加え、全く根拠の無い(それどころか経験則にも拠っていない)心霊医療までもが先進国等でも流行し、こちらは西洋医学では治療法の確立されていない珍しい病気や難病、または劇的な治療効果の得難い慢性病や、精神的な不安から来る身体の不快感を解消しようとする人に利用されている。しかし疑似科学に騙されやすい人々が、治療効果の認められないようなサービスにまで、その労働力によって得た富を注ぎ込むケースも見られ、こちらは社会問題となっている。 近年では肉体と精神の健康は不可分であるという(民間に於いて・または医療機関に於いても)風潮もあり、神秘主義的な呪術医の持つ一種の暗示効果から「本当に治った」(若しくは「治ったような気がする」)というケース(プラシーボ効果など)も吹聴されるに至り、この問題が通信環境の拡充も手伝って「伝染」しやすい傾向も見られる。
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