現世的な身分の上下を重視した人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 17:45 UTC 版)
「死と文化」の記事における「現世的な身分の上下を重視した人々」の解説
現世での政治的な身分の上下に拘る者たちは、死の表現まで身分ごとに異なる表現を用いた。中国の古典の『礼記』曲礼篇によると、「天子の死を崩(ほう)と曰(い)ひ、諸侯は薨(こう)と曰ひ、大夫は卒(そつ)と曰ひ、士は不禄(ふろく)と曰ひ、庶人は死と曰ふ」とある。これにならい、日本でも古くから、王や女王および四位や五位の位階を持つ貴人の死を「卒去(そつきょ)」と言い、皇族や三位以上の公卿の死を「薨去(こうきょ)」、最高権力者である天皇や皇帝の死は「崩御(ほうぎょ)」や「登遐(とうか)」などとも表現してきたという。また、貴人が死ぬことは「身罷(みまか)る」、「お隠れになる」とも表現されてきた。 三国志の著者陳寿は、当時の歴史観で正統とされる魏の皇帝に対し「崩」の字を用い、異端とされた呉の皇帝は諸侯として「薨」の字を用いた。しかし自らが仕えた蜀の皇帝には、『尚書』において帝舜に用いられた「殂」の字を用いた。この字は「崩」に通じる。
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