王室賞の規定の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 02:15 UTC 版)
17世紀からイギリスの各地で王室賞(キングスプレート)という競走が行われていた。これは王室から賞金・賞品が下賜されるもので、あらかじめ所定の競走規則が定められて公示された競馬の競走としては最古のものである。王室賞は伝統的にヒート競走で行われた。その施行規則には次のような規定がある。 I Every horse, mare or gelding that runneth for the said Plate shall carry twelve stone; fourteen pounds to the stone, three heats. 王室賞に出走する牡馬・牝馬・騸馬の負担重量はいずれも12ストーン(1ストーンは14ポンドとする)。競走は3ヒート戦で行う。(注:1ポンドは約0.45グラム、1ストーンは約6.3キログラム、12ストーンは約76.2キログラム) III (一部抜粋)and to be allowed half an hour between each heat to rub. (訳)各馬は、馬体の手入れのために、ヒートとヒートの間に30分の休憩を認める。 V (一部抜粋)that winneth any two heats, winneth the Plate; but if three several horses(中略)win each of them a heat, then those three, and only they, to run a fourth heat; ant the horse(中略)that winneth the fourth heat, shall have the Plate. 2つのヒートを勝った馬が優勝とする。もしも3つのヒートの勝馬がそれぞれ異なる場合には、その3頭だけによる決勝戦として第4ヒートを実施する。この場合は第4ヒートの1着馬を優勝とする。 『レーシングカレンダー 第3巻』(1775年版)より 下記は1721年4月13日にニューマーケット競馬場で行われた「His Majesty's Plate」(王室賞)の実例である。優勝賞金は100ギニー、6歳以上の牡馬による、4マイルのヒート戦。各馬の負担重量は12ストーン(約76.20キログラム)。 (王室賞の例) (出典)『Baily's Racing Register 第1巻』 馬名 第1ヒート 第2ヒート 第3ヒート 結果 Fox 2着 1着 1着 優勝 Hip 1着 2着 2着 Terror 3着 辞退 第1ヒートではヒップ(Hip)1着、フォックス2着、テラー3着。このうちテラーは第2ヒートの出走を辞退し、残り2頭で第2ヒート・第3ヒートが行われ、どちらもフォックス1着となり、優勝が決定した。
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