玉野五十鈴の誉れ
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「儚い羊たちの祝宴」の記事における「玉野五十鈴の誉れ」の解説
初出:『Story Seller』2008年spring(『小説新潮』2008年5月号別冊) 高台寺に屋敷をそびえ立たせる小栗家の長女・純香は、小栗家の絶対権力者である祖母から玉野五十鈴という従者を与えられる。最初は戸惑うものの主従関係ながらも純香と五十鈴は心を許しあい、教養と見識そしてしたたかさを教えてくれる五十鈴の存在は純香にとってかけがえのないものとなった。そして、祖母を言い包め五十鈴と共に大学に進学し、「バベルの会」に入会した純香だったが、父の伯父が強盗殺人を犯したことにより純香と五十鈴の順風満帆な生活は音を立てて崩れ去っていく。 小栗 純香(おぐり すみか) 小栗家長女。勉学を好む内向的な性格で、身分のつり合いを気にする祖母の圧力で一人も友達がいない。自分の傍にいてくれる五十鈴を慕い、彼女の影響で小説に興味を持ち、祖母に意見するほどの勇気を出すようになる。 玉野 五十鈴(たまの いすず) 純香付きの使用人。小栗家の人間に対しては我を殺し、忠実な態度で使える完璧な使用人だが、料理が出来ないという欠点があり、純香にからかわれ気味に「はじめちょろちょろ、中ぱっぱ」とご飯の炊き方を教わっている。小説を嗜む利発な女性で、純香がしたたかさを覚えるきっかけを作る。 純香の祖母 小栗家当主。祖父が純香が産まれる前に死に、その祖父に代わって小栗家の最高権力者として多大な発言力を発揮する。自身は息子たちを戦争や病、事故で亡くしたことに引け目を感じているが、小栗家の跡取りとなる男子を欲している。しばしば漢籍の格言を引用して物事を語る。 小栗 香子(おぐり きょうこ) 純香の母。生気を抜かれたかのように覇気が無く、自身の母にあたる祖母に従わされる様子を見せる。また、男子を産むように無言の圧力に包まれている。 純香の父 香子の夫で婿養子。旧姓:蜂谷。柔和な性格だが婿養子であるため影が薄く、祖母には毛ほどにも存在を気に掛けられていない。
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