玉里文庫本各筆源氏物語
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「玉里文庫本源氏物語」の記事における「玉里文庫本各筆源氏物語」の解説
54帖の揃い本。粘葉装。室町時代末期の書写と見られるもので、各巻ごとに筆者の異なる寄り合い本。本文系統は概ね青表紙本と見られる。箱の外題は近衛忠煕の筆になるもので、「伝来書」と「源氏物語筆写目録」が附されている。伝来書には「近衛様中古御伝来応円満院様より盛化門院様江御譲にて御入内被遊新清和院様江御譲り被遊御同所様より郁君様江御拝領被遊候」とあり、本写本はもと京都の近衛家にあったもので、薩摩藩主島津斉興の娘(実は前藩主・島津斉宣の娘)であり近衛忠煕に嫁し忠熙の正室となった島津興子(郁姫)が拝領したとの伝来書が附されている。嘉永3年3月29日(1850年5月10日)に郁姫が没した後何らかの理由で実家の島津家にもたらされたのであろうと考えられている。「源氏物語筆者目録」によれば、筆写として細見河内守宗高,姉小路済継,正親町持季の子小倉季種,大島本の書写者として知られる飛鳥井雅康の子宗衣,徳大寺実定の子毘沙門堂公厳,岩山道堅等の名前が挙げられている。本写本は『校異源氏物語』や『源氏物語大成校異編』といった校本への採用は無い。
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