猫砂の種類と必要性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 15:38 UTC 版)
ベントナイト製の猫砂を入れた猫トイレ(写真:上)猫トイレに入れた猫砂を拡大した様子(写真:下) 猫砂は上記の通り、猫の動物学的な見地に基づきより理想的なものが考えられたといえる。まず、野生の猫は自身の排泄場所を柔らかい砂質の土壌で行うことが知られている。猫砂の代用品として新聞紙をちぎったもの等、柔らかく一定の吸水性が認められるもので猫砂の代用とすることも可能ではあるが、消臭効果がないために複数回の排泄を行うと猫が自身の排泄物の臭いを忌避してしまう傾向もある。したがって猫砂には一定の消臭効果が求められる。猫の排泄物で、特に尿に関しては人間のそれと比較して強烈に臭うことで知られている。これは、猫の尿には「フェリニン」と呼ばれる硫黄を含んだアミノ酸化合物質が含まれており,これがカルボキシルエステラーゼに似た物質であるコーキシンというタンパク質を触媒として臭いを発しているためである。なお、猫は人間とは違い、健康体であってもタンパク質を尿として排泄することが通常となっている珍しい生物であるため、猫の体調の良し悪しにかかわらず、猫の尿には上記の通りタンパク質が含まれる。これがいわゆる「猫臭」の原因ともなっている。なお、メスや去勢したオスよりも未去勢のオスが圧倒的に高い数値のフェリニンが検出されていることが解明されており、さらに前述のコーキシンの分泌も加齢によって高まることから、これらに該当する個体の尿は特に強烈な臭いを放つ。 したがって、猫砂には2つの要素が求められる。1つは猫が自身の生理現象に対して一定の消臭効果が認められ、さらに排泄がしやすい砂が求められる。もう1つは、人間側から感じる居住の快適性である。つまりは、室内飼育が念頭となるとすれば可能な限り無臭に近い環境を作る必要性が求められるようになったといえる。また、猫砂も使用後は不衛生なゴミとなるため、その処分のしやすさも求められるようになった。今日の市販される猫砂とは、ペットと飼い主の双方の要求や利便性、そしてより快適な環境を理想的に求めた結果、誕生したものといえる。
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