特殊部隊員リクルート計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 05:29 UTC 版)
「アメリカ陸軍特殊部隊群」の記事における「特殊部隊員リクルート計画」の解説
組織構成の項で触れたとおり特殊部隊は慢性的な人材不足に悩まされており、近年ではそれに追い撃ちを掛けるようにして民間軍事会社の台頭によってベテランや若手の特殊部隊員が引き抜かれている。そこで最近、米陸軍は「18Xプログラム」というリクルート計画を開始した。これは、軍隊経験の全く無い民間人を街頭募集して特殊部隊員にしようというものである。正しくいえば、「18X」とはこのリクルート計画に合わせて新しく設置された特殊部隊MOS(軍事特技区分)の一つで、いわば特殊部隊員見習い資格のことである(ちなみに、特殊部隊将校は18A、特殊部隊准士官は180A、特殊部隊兵器専門家は18B、特殊部隊工兵専門家は18C、特殊部隊医療衛生専門家は18D、特殊部隊通信専門家は18E、特殊部隊情報/作戦補佐下士官は18F、特殊部隊チーム/作戦下士官は18Z)。 通常、新兵として陸軍に入隊した場合、基礎訓練を終えて1年間以上の勤務に就かなければ1等兵にまで昇進しないが、この計画では応募者を最初から1等兵待遇で入隊させ、手続きを終えるとすぐに基礎訓練と上級訓練に参加させる。これらを17週間で終わらせると、今度は3週間の基礎空挺訓練を受けさせ、グリンベレー志願者の最低条件である空挺資格を取得させる。その後、30日間の特殊作戦準備課程を経てQコースに送り込み、即席のグリンベレー隊員を育成するのである。しかし、1960年代における特殊部隊増強の折、本来ならば相応しくない人材が多数入隊し、結果的に部隊の質低下を招いたことを知っている現役ベテランやOBの隊員達からはかなり批判の声が上がっている。 また、「REP-63」という制度も存在する。これは州兵と予備役から志願者を募集するものだが、Qコース第3段階に行われる専門技能訓練のうち特殊部隊医療衛生専門家課程と特殊部隊通信専門家課程には参加することができないという条件付きである。
※この「特殊部隊員リクルート計画」の解説は、「アメリカ陸軍特殊部隊群」の解説の一部です。
「特殊部隊員リクルート計画」を含む「アメリカ陸軍特殊部隊群」の記事については、「アメリカ陸軍特殊部隊群」の概要を参照ください。
- 特殊部隊員リクルート計画のページへのリンク