特殊科学としての社会学の提唱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/07/20 13:35 UTC 版)
「形式社会学」の記事における「特殊科学としての社会学の提唱」の解説
このような背景にあってジンメルは、他の学問にはない社会学独自の研究対象を模索する中で、人間相互の関係の形式(社会化の形式あるいは心的相互作用)に注目し、これを社会学が扱うべき対象であると考えるようになった。 社会化の形式あるいは心的相互作用とは、人間が目的や意図をもって他者と関わる行為のあり方のことであり、具体的には、愛情による親密な関係、憎悪に基づく敵対関係、社会的地位によって結ばれる上下関係などが挙げられる。これに対して、政治、法律、経済、宗教、芸術などは「内容」から分類された学問分野だとして、「形式」の観点からそれらに横断線を引く学問として社会学を位置づけた。 ジンメルによる対象の分類社会化の形式(社会学独自の対象):上位と下位、競争(闘争)、支配と服従、模倣、分業、協同、党派形成、秘密など 内容(そのほかの学問の対象):政治・法律・経済・宗教・芸術・言語など また、ジンメルは、社会化の形式における純粋型を想定し、それに社交(Geselligkeit)なる概念を当てた。ジンメルの社交論は近年、再評価が進んでいる。
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