純粋型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 05:45 UTC 版)
純粋型では、上記の特異性が広範にあてはまる。純粋型は最も明確に規定され、激烈で強固だが、きわめて稀である。一挙に症状群ができあがり、ただ一人を対象とし、妄想が進展するとしても、その範囲は問題の恋愛をテーマとしたものに限られる。幻覚が生じることは決してなく、非合理的な誇大妄想もみられない。同じパターンで繰り返し再現されるような一貫性のある症状群を有しており、短期間で一過性の同様のエピソードが先行することがある。持続的な緊張状態にあり、行動を抑えられず、しかも不治である。 とりわけ純粋型の症例においては性格の関与が大きいとされる。クレランボーは「自惚れていながら、小心者でもある」という性格を指摘しているが、後の精神科医によっても、シャイで臆病、過敏で自己言及的、ナルシシスティック、自信がなく懐疑的、社交回避的、弱気、内気といった指摘がされている。強烈な自意識や、相手の方から始めたと言い張る傾向、相手を非難し中傷する性癖といった人格ゆえにこの病理が発症しているとも推測される。
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